令和5年度(2023年)2級土木施工管理技術検定 第一次検定(前期・種別:土木)No.24は、トンネルの山岳工法における支保工に関する⑴〜⑷の記述のうち、最も適当でないものを選ぶ問題です。吹付けコンクリート・ロックボルト・鋼アーチ式支保工という支保部材と、それらを組み込む施工の順序が問われます。
山岳工法(NATM)では、掘削したらまず一次吹付けコンクリートを施工して地山の凹凸をなくし早期に支持し、そのあとで鋼アーチ式(鋼製)支保工を建て込み、二次吹付けコンクリートで巻き込みます。⑷は鋼アーチ式支保工を「一次吹付けコンクリート施工前に建て込む」としていますが、建て込むのは一次吹付けコンクリートの後です。前後の順序を入れ替えた引っかけです。⑴のロックボルト、⑵の吹付けコンクリート、⑶の支保工の目的はいずれも正しい記述です。
※ 問題文そのものは、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢4(最も不適当な記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| ⑴ ロックボルトは、緩んだ岩盤を緩んでいない地山に固定し落下を防止する等の効果がある | 適当 | 緩んだ岩盤を奥の健全な地山につなぎ止め、吊下げ効果・補強効果で落下を防ぐ |
| ⑵ 吹付けコンクリートは、地山の凹凸をなくすように吹き付ける | 適当 | 凹凸をなくして地山に密着させ、応力を一様に伝える |
| ⑶ 支保工は、岩石や土砂の崩壊を防止し、作業の安全を確保するために設ける | 適当 | 崩壊防止と作業の安全確保が支保工の目的 |
| ⑷ 鋼アーチ式支保工は、一次吹付けコンクリート施工前に建て込む | 適当でない | 鋼アーチ式支保工を建て込むのは一次吹付けコンクリートの後(前ではない) |
山岳工法(NATM)の一巡は、掘削→ずり出し→一次吹付けコンクリート→鋼アーチ式支保工の建込み→二次吹付けコンクリート→ロックボルト打設、という順序で進みます。掘削面の凹凸をまず一次吹付けコンクリートでならして早期に地山を支え、その面に鋼アーチ式支保工を据えて、二次吹付けコンクリートで支保工ごと巻き込むことで一体化させます。
選択肢⑷は「一次吹付けコンクリート施工前に建て込む」としていますが、鋼アーチ式支保工の建込みは一次吹付けコンクリートより後です。凹凸の残った素掘りの面にいきなり支保工を建てても地山と密着せず、支保効果が発揮できません。⑴のロックボルト(緩んだ岩盤を奥の地山に固定して落下を防止)、⑵の吹付けコンクリート(凹凸をなくすように吹き付ける)、⑶の支保工(崩壊防止と作業の安全確保のために設ける)は、いずれも適当です。したがって、最も適当でない記述は選択肢4です。
問題:鋼アーチ式支保工は、一次吹付けコンクリートを施工する前に建て込む。
〇か×か。
答え:×
鋼アーチ式支保工を建て込むのは一次吹付けコンクリートの後です。まず一次吹付けで地山の凹凸をならしてから支保工を据え、二次吹付けで巻き込みます。順序が前後逆です。
問題:ロックボルトは、緩んだ岩盤を緩んでいない地山に固定し、落下を防止する効果がある。
〇か×か。
答え:〇
ロックボルトは緩んだ岩盤を奥の健全な地山につなぎ止め、吊下げ効果や補強効果で崩落・落下を防ぎます。吹付けコンクリートと併用してさらに効果が高まります。
出典・参考資料
※ 問題文は転載していません。支保工の施工順序は、トンネル標準示方書(山岳工法編)等で確認してください。
※ この記事の確認日:2026年7月
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