令和5年度(2023年)2級土木施工管理技術検定 第一次検定(前期)No.29は、シールド工法に関する⑴〜⑷の記述のうち、適当でないものを選ぶ問題です。
誤りは⑷で、密閉型シールドの隔壁の位置を取り違えています。隔壁はフード部とガーダー部の間に設けて、切羽側に満たした泥土や泥水の圧力を保持し切羽を安定させる壁です。⑷は「ガーダー部とテール部が隔壁で仕切られている」としていますが、隔壁はガーダー部とテール部の間ではありません。シールドの前・中・後の3区分と、隔壁がどこに入るかで間違えやすい問題です。
※ 問題文そのものは、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢4(最も不適当な記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| ⑴ 開削工法が困難な都市の下水道工事や地下鉄工事等で用いられる | ○(正しい) | 地表を掘り下げる開削が難しい市街地や地下で、地中を掘り進める工法として用いる |
| ⑵ 掘進後、セグメント外周にモルタル等を注入し、地盤の緩みと沈下を防止する | ○(正しい) | 裏込め注入でテールボイド(掘削径とセグメント外径の隙間)を充填し、地盤の緩み・沈下を抑える |
| ⑶ フード部は、トンネルを掘削する切削機械を備えている | ○(正しい) | フード部は先端で切羽を掘削するカッターを装備し、隔壁とともにカッターチャンバーを形成する |
| ⑷ 密閉型シールドは、ガーダー部とテール部が隔壁で仕切られている | ×(誤り) | 隔壁はフード部とガーダー部の間に設ける。ガーダー部とテール部の間ではない |
シールド本体は前からフード部(先端でカッターにより切羽を掘削)、ガーダー部(中間でシールドジャッキ等の装置群を収容し本体の構造を保持)、テール部(後部でセグメントを組み立て、テールシールを装備)の3つに分かれます。密閉型シールドでは、切羽側の泥土あるいは泥水の圧力を保持して切羽を安定させるために、隔壁(バルクヘッド)をフード部とガーダー部の間に設けます。
⑷は隔壁を「ガーダー部とテール部の間」としていますが、これは誤りです。隔壁より前(フード部側)が加圧されたチャンバー、隔壁より後ろ(ガーダー部・テール部)が坑内の作業空間で、この境界がフード部とガーダー部の間にあることで、切羽側の泥土・泥水を坑内から遮断できます。⑴の適用場所、⑵の裏込め注入、⑶のフード部の切削機械は、いずれも正しい記述です。
問題:密閉型シールドは、ガーダー部とテール部が隔壁で仕切られている。
〇か×か。
答え:×
隔壁はフード部とガーダー部の間に設けます。切羽側の泥土・泥水の圧力を保持して切羽を安定させるための壁で、ガーダー部とテール部の間ではありません。
問題:シールドのフード部は、トンネルを掘削する切削機械を備えている。
〇か×か。
答え:〇
フード部はシールド本体の先端にあり、切羽を掘削するカッター(切削機械)を備えます。隔壁とともにカッターチャンバーを形成します。
出典・参考資料
※ 問題文は転載していません。シールド工法の各部の定義は、最新のトンネル標準示方書(シールド工法編)等で確認してください。
※ この記事の確認日:2026年7月
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