令和5年度(2023年)2級土木施工管理技術検定 第一次検定(前期)No.49は、高さ5m以上のコンクリート造の工作物の解体作業にともなう危険を防止するために事業者が行うべき事項について、労働安全衛生法上誤っているものを選ぶ問題です。
解体作業の安全は労働安全衛生規則517条の15を軸に問われます。立入りに関する規定は「関係労働者以外の労働者の立入りを禁止する」ことであって、立入りを認める許可区域を明示することではありません。⑷はこの向きが逆で、禁止すべきものを「許可区域の明示」にすり替えている点が誤りです。悪天候時の中止・つり綱つり袋の使用・引倒しの合図(⑴⑶⑵)は条文どおりで正しい記述です。
※ 問題文そのものは、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢4(誤っている記述)
| 記述 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| ⑴ 悪天候のため作業に危険が予想されるときは、当該作業を中止しなければならない | 正しい | 517条の15第2号のとおり(強風・大雨・大雪等で中止) |
| ⑵ 外壁・柱等の引倒し等の作業では、一定の合図を定め関係労働者に周知させなければならない | 正しい | 517条の16のとおり(引倒し等の合図) |
| ⑶ 器具・工具等を上げ下ろしするときは、つり綱・つり袋等を労働者に使用させなければならない | 正しい | 517条の15第3号のとおり |
| ⑷ 作業区域内には、関係労働者以外の労働者の立入り許可区域を明示しなければならない | 誤り | 517条の15第1号は立入りの禁止を求める規定で、「許可区域の明示」ではない |
労働安全衛生規則517条の15第1号は、解体作業を行う区域内について、関係労働者以外の労働者が立ち入ることを禁止し、その旨を見やすい箇所に表示するなどの方法をとることを事業者に義務づけています。守る対象は「立入りを止めること」です。
⑷は、この立入禁止を立入りを認める「許可区域」を明示するという表現に置き換えています。禁止と許可では意味が正反対で、労働者を区域内へ入れてよいことになってしまうため、規定に反します。⑴の悪天候時の作業中止(517条の15第2号)、⑵の引倒し等の合図(517条の16)、⑶のつり綱・つり袋の使用(517条の15第3号)は、いずれも条文どおりで正しい記述です。したがって誤っている記述は⑷、正解は選択肢4です。
問題:高さ5m以上のコンクリート造の工作物の解体作業では、作業を行う区域内に、関係労働者以外の労働者の立入り許可区域を明示しなければならない。
〇か×か。
答え:×
517条の15第1号は、関係労働者以外の労働者の立入りを禁止する規定です。立入りを認める許可区域を明示するのではありません。
問題:器具、工具等を上げ、又は下ろすときは、つり綱、つり袋等を労働者に使用させなければならない。
〇か×か。
答え:〇
517条の15第3号のとおりです。器具・工具等の上げ下ろしでは、つり綱・つり袋等を使用させて落下を防ぎます。
出典・参考資料
※ 問題文は転載していません。条文は最新の労働安全衛生規則(e-Gov法令検索)で確認してください。
※ この記事の確認日:2026年7月
このサイトについて