ゼロから学ぶ土木施工管理

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令和7年度(後期)2級土木施工管理技士 No.15を解説、場所打ち杭の各種工法

令和7年度(2025年)2級土木施工管理技術検定 第一次検定(後期)No.15は、場所打ち杭の各種工法に関する問題です。4つの記述のうち、最も適当なものを1つ選びます。

この問題のポイント

場所打ち杭の工法は、掘削中に孔壁が崩れないよう、何で壁を支えるかで分かれます。アースドリル工法は表層にケーシングを建て込み、それ以深は安定液(ベントナイト泥水)で保持します。この対応が正しく書かれているのが選択肢1です。

残る3つは、工法の名前と特徴を総取り替えしてあります。選択肢2はリバースサーキュレーション工法と名乗りながら深礎工法の特徴を、選択肢3は深礎工法と名乗りながらオールケーシング工法の特徴を、選択肢4はオールケーシング工法と名乗りながらリバースサーキュレーション工法の特徴を述べています。孔壁の保護が安定液か、ケーシングか、水頭差か、土留め材かで分けて覚えていれば、名前を差し替えられても対応が崩れません。

※ 問題文そのものは、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢1(最も適当な記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
1 アースドリル工法=表層はケーシング、それ以深は安定液で孔壁を保持○(正しい)表層部は表層ケーシング、以深はベントナイト泥水などの安定液で保護する
2 リバースサーキュレーション工法=湧水が多いと作業が困難、酸欠等に注意×(誤り)これは深礎工法の特徴。人が孔内に入って掘るため、湧水や酸欠・有毒ガスが問題になる
3 深礎工法=ケーシングチューブを土中に挿入し、チューブ内の土を掘削×(誤り)これはオールケーシング工法の特徴。杭の全長をチューブで保護し、ハンマグラブで土をつかみ出す
4 オールケーシング工法=掘削孔を水で満たし、掘削土とともに地上へ吸い上げる×(誤り)これはリバースサーキュレーション工法の特徴。孔内水と地下水の水頭差で孔壁を保ち、土砂を孔内水とともに吸い上げる

選択肢2・3・4のポイント(ここが誤り)

誤りの3肢は、工法名だけを別のものに差し替え、特徴の記述はそのまま置いてある入れ替え型です。記述の中身自体はどれも実在する工法の説明として正しく、名前との対応だけが崩れています。

  • 選択肢2:湧水が多い場所での作業が困難で、酸素欠乏や有毒ガスに注意が必要なのは深礎工法です。深礎工法は坑壁をライナープレートなどの土留め材で支えながら人力または機械で掘り下げ、作業員が孔内に入ります。リバースサーキュレーション工法は孔を水で満たしたまま機械で掘るため、人が孔内に入る前提ではありません。
  • 選択肢3:ケーシングチューブを土中に挿入し、チューブ内の土を掘削するのはオールケーシング工法です。杭の全長にわたってチューブを揺動または回転させながら押し込み、内部の土をハンマグラブでつかみ上げます。孔壁を鋼管そのもので押さえるので、安定液の管理を必要としません。
  • 選択肢4:掘削孔を水で満たし、掘削した土を水とともに地上へ吸い上げるのはリバースサーキュレーション工法です。表層にスタンドパイプを建て込み、その下端以深は孔内水位を地下水位より高く保った水頭差と、孔壁に付着したマッドケーキで壁を保持します。ビットで削った土砂はドリルパイプの内側を通して吸い上げ、逆循環させて排出します。

選択肢1のアースドリル工法は、表層にケーシングを建て込んで崩れやすい部分を押さえ、それより深い部分はベントナイトを主体とする安定液で孔壁を保持しながらドリリングバケットで掘り進めます。孔壁の保護方式と工法名が一致しており、これが唯一の適当な記述です。

覚え方

  • 孔壁を何で守るかで4工法を分ける=安定液/ケーシング/水頭差/土留め材
  • アースドリル=表層だけケーシング、以深は安定液(ベントナイト泥水)
  • オールケーシング=杭の全長をチューブで守り、ハンマグラブで掘る
  • リバース=孔を水で満たし、水頭差で守って土砂を吸い上げる
  • 深礎=人が孔内に入る唯一の工法。土留め材で支え、湧水・酸欠に注意
  • 工法名を差し替えた選択肢が出たら、保護方式との組み合わせで照合する

理解度チェック

問題:アースドリル工法は、表層部にケーシングを建て込み、それ以深は安定液によって孔壁を保持する。

〇か×か。

答え:

表層は表層ケーシングで押さえ、その下はベントナイト泥水などの安定液で孔壁を保持します。令和7年度(後期)No.15の正解の記述です。

問題:湧水の多い場所での作業が困難で、酸素欠乏などに十分注意する必要があるのは、リバースサーキュレーション工法である。

〇か×か。

答え:×

これは深礎工法の特徴です。作業員が孔内に入って掘り下げるため、湧水や酸欠・有毒ガスへの対応が必要になります。リバースサーキュレーション工法は孔を水で満たして機械で掘る工法です。

問題:ケーシングチューブを土中に挿入し、チューブ内の土を掘削するのはオールケーシング工法である。

〇か×か。

答え:

杭の全長にわたってケーシングチューブを押し込み、内部の土をハンマグラブで掘削します。この記述を深礎工法として出したのが選択肢3の誤りです。

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出典・参考資料

  • 一般財団法人 全国建設研修センター「令和7年度 2級土木施工管理技術検定 第一次検定(後期・種別:土木) 問題」
  • 場所打ちコンクリート杭工法(アースドリル=表層ケーシング+安定液、オールケーシング=杭全長のケーシングチューブ+ハンマグラブ、リバース=スタンドパイプと水頭差):一般社団法人 日本基礎建設協会「場所打ちコンクリート杭工法」
  • 深礎工法(土留め材で坑壁を支え、人力または機械で掘削。孔内での酸欠・有毒ガスに注意):施工各社の工法解説にもとづく

※ 問題文は転載していません。数値・用語は最新の便覧・示方書で確認してください。

ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

土木施工管理技士試験で過去に問われた用語・数値・施工手順を、官公庁の仕様書や日本道路協会の便覧に照らして整理しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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