ゼロから学ぶ土木施工管理

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令和7年度(後期)2級土木施工管理技士 No.16を解説、土留め壁の種類と特徴

令和7年度(2025年)2級土木施工管理技術検定 第一次検定(後期)No.16は、土留め壁の種類と特徴の組合せに関する問題です。4つの組合せのうち、適当なものを1つ選びます。

この問題のポイント

土留め壁は掘削の側面を支える仮設の壁で、種類ごとに剛性の大きさ遮水性の有無が違います。剛性が大きいほど深い掘削に耐え、遮水性があるほど地下水位の高い地盤で使えます。

連続地中壁は、安定液で掘った溝に鉄筋かごを入れてコンクリートを打設する鉄筋コンクリートの壁です。剛性が極めて大きく大深度の掘削に使えるので、選択肢3の組合せが正しくなります。

残る3つは、剛性と遮水性の対応をずらしてあります。親杭・横矢板は横矢板のすき間から水が入るため遮水性がなく、鋼矢板は遮水性がよい代わりにたわみが大きく、柱列杭は芯材のH形鋼が曲げを受け持つため剛性の大きい壁です。種類ごとに剛性と遮水性を並べておけば、どこを入れかえられても対応が崩れません。

※ 問題文そのものは、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢3(適当な組合せ)

各選択肢の正誤

選択肢(種類/特徴)正誤解説
1 親杭・横矢板/遮水性が高く、地下水位の高い地盤に適する×(誤り)親杭・横矢板は遮水性がなく、地下水位の高い地盤には使えない
2 鋼矢板/掘削時のたわみ性が小さく、施工が容易×(誤り)鋼矢板はたわみ性が大きい遮水性がよいのが特徴
3 連続地中壁/剛性が極めて大きく、大深度の掘削に適する○(正しい)鉄筋コンクリートの壁で剛性が大きく、深い掘削と大規模な開削に使える
4 柱列杭/剛性が小さく、浅い掘削に適する×(誤り)柱列杭は芯材のH形鋼で剛性が大きく、深い掘削に使える

選択肢3のポイント(正しい組合せ)

連続地中壁は、安定液で孔壁を保ちながら溝状に掘削し、鉄筋かごを建て込んでコンクリートを打設してつくります。できあがるのが場所打ちの鉄筋コンクリート壁なので、土留め壁のなかで剛性がもっとも大きく、掘削にともなう壁の変形を小さくおさえられます。大深度の掘削や、周辺の地盤変形を許容できない大規模な開削工事に使われ、そのまま地下構造物の本体として残すこともあります。

誤りの3つは、剛性と遮水性がそれぞれ逆向きに書かれています。親杭・横矢板は遮水性がないので地下水位の高い地盤には使えず、鋼矢板はたわみが大きく、柱列杭は剛性が大きいのが正しい特徴です。

剛性と遮水性で並べる

4種類を剛性の小さい順に並べると、特徴の入れ替えに気づきやすくなります。

種類剛性遮水性掘削深さの目安
親杭・横矢板小さいなし浅い掘削
鋼矢板小さい(たわみが大きい)あり中程度の掘削
柱列杭大きいあり深い掘削
連続地中壁極めて大きいあり大深度の掘削

遮水性が無いのは親杭・横矢板だけです。地下水位が高い地盤で親杭・横矢板を選ぶ記述が出たら、そこが誤りになります。

覚え方

  • 剛性は 親杭・横矢板<鋼矢板<柱列杭<連続地中壁。遮水性が無いのは親杭・横矢板だけ
  • 鋼矢板の特徴は遮水性。たわみは大きい(「たわみ性が小さい」と書いてあれば誤り)
  • 柱列杭は芯材のH形鋼が曲げを受け持つ=剛性が大きい(「浅い掘削に適する」は誤り)
  • 連続地中壁は場所打ちの鉄筋コンクリート壁=剛性が最大。本体構造物に転用することもある

理解度チェック

問題:鋼矢板は掘削時のたわみ性が小さく、施工が容易である。

〇か×か。

答え:×

鋼矢板はたわみ性が大きい壁です。継手でつながるため遮水性がよいところが特徴で、剛性を期待する壁ではありません。

問題:柱列杭は剛性が小さく、浅い掘削に適する。

〇か×か。

答え:×

柱列杭はソイルセメントの柱に芯材のH形鋼を建て込む壁で、剛性が大きく深い掘削に使えます。剛性が小さく浅い掘削向けなのは親杭・横矢板です。

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出典・参考資料

  • 一般財団法人 全国建設研修センター「令和7年度 2級土木施工管理技術検定 第一次検定(後期) 問題」および公式正答
  • 親杭横矢板の遮水性・鋼矢板のたわみ性:土木、土木工事の基礎知識「土留め工の種類(矢板工法・連続地中壁工法)」(dobock.com
  • 親杭横矢板の遮水性・連続地中壁の剛性:「土留め壁の種類-地下で大切な仮設物」(bonperson-civil.com
  • 柱列杭(ソイルセメント柱列壁)の芯材と適用深さ:施工管理の教科書「SMW工法とは」(seko-kanri.com

※ 問題文・図は転載していません。種類と特徴は上記の資料で照合しています。

ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

土木施工管理技士試験で過去に問われた用語・数値・施工手順を、官公庁の仕様書や日本道路協会の便覧に照らして整理しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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