ゼロから学ぶ土木施工管理

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令和7年度(後期)2級土木施工管理技士 No.54を解説、コンクリート解体作業の危険防止

令和7年度(2025年)2級土木施工管理技術検定 第一次検定(後期)No.54は、高さ5m以上のコンクリート造の工作物の解体作業に伴う危険を防止するために、事業者が行うべき事項に関する問題です。4つの記述のうち、労働安全衛生法上、誤っているものを1つ選びます。

この問題のポイント

コンクリート造の工作物の解体では、事業者は作業計画を定め、悪天候のときは作業を中止し、引倒しの合図を決めて労働者に周知します。ここまではどれも規則どおりの正しい措置です。

分かれ目は、解体用機械を使うときの立入禁止です。物体の飛来などで危険が生じるおそれのある箇所に立ち入らせないのは、運転者以外の労働者です。運転している人だけが機械のそばにいて、それ以外は近づけません。この対象を「作業主任者以外の者」と書き替えた記述が誤りになります。

※ 問題文そのものは、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢3(労働安全衛生法上、誤っている記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
1 作業計画○(正しい)作業計画に作業の方法・順序、使用する機械等の種類・能力等を記載する(安衛則517条の14)
2 悪天候時の中止○(正しい)強風・大雨等の悪天候で危険が予想されるときは作業を中止する(安衛則517条の15)
3 立入禁止の対象×(誤り)危険箇所に立ち入らせないのは「運転者以外」であって「作業主任者以外」ではない(安衛則171条の6)
4 引倒しの合図○(正しい)引倒し等について一定の合図を定め、関係労働者に周知する(安衛則517条の16)

選択肢3のポイント(ここが誤り)

ブレーカやコンクリート圧砕機などの解体用機械で作業するときは、こわした物が飛んでくるおそれのある箇所に人を入れないようにします。この危険箇所に立ち入らせないのは、機械を動かしている運転者を除く労働者で、「運転者以外」が正しい対象です。選択肢3はこれを「作業主任者以外の者」と書いていて、対象を取り違えています。

作業主任者は、解体作業を直接指揮し、危険を防ぐ役目の人です。危険箇所に入れる立場ではなく、立入禁止の線引きは「運転者か、それ以外か」で決まります。作業主任者も、飛来のおそれのある危険箇所には立ち入りません。

事業者が行うべき措置と根拠

この問題に出た4つの措置と、その根拠となる規則を並べると次のとおりです。立入禁止の対象だけが取り違えになっています。

措置内容と根拠
作業計画作業の方法・順序、使用する機械等の種類・能力等を記載(安衛則517条の14)
悪天候時の中止強風・大雨・大雪等で危険が予想されるとき作業を中止(安衛則517条の15)
解体用機械の立入禁止飛来等の危険箇所に「運転者以外の者」を立ち入らせない(安衛則171条の6)
引倒しの合図一定の合図を定め、関係労働者に周知(安衛則517条の16)

覚え方

  • 解体用機械の危険箇所に立ち入らせないのは「運転者以外」(作業主任者以外ではない)
  • 作業計画には作業の方法・順序と、使う機械の種類・能力を書く
  • 強風・大雨等の悪天候で危険が予想されるときは作業を中止
  • 引倒し等は一定の合図を定めて関係労働者に周知する

理解度チェック

問題:解体用機械を用いて作業を行うときは、物体の飛来等により危険が生ずるおそれのある箇所に、運転者以外の労働者を立ち入らせてはならない。

〇か×か。

答え:

立入禁止の対象は「運転者以外の労働者」です。本問の選択肢3は、これを「作業主任者以外の者」と取り違えている点が誤りでした。

問題:強風、大雨等の悪天候のため作業の実施について危険が予想されるときは、当該作業を中止しなければならない。

〇か×か。

答え:

悪天候で危険が予想されるときは作業を中止します(安衛則517条の15)。作業計画の作成や引倒しの合図の周知とともに、事業者が行うべき措置です。

令和7年度(後期)2級土木施工管理技士 過去問解説 一覧へ

出典・参考資料

  • 一般財団法人 全国建設研修センター「令和7年度 2級土木施工管理技術検定 第一次検定(後期) 問題」および公式正答
  • 解体用機械の作業では危険箇所に「運転者以外の者」を立ち入らせない:労働安全衛生規則 第171条の6(労働新聞社・法令検索
  • コンクリート造の工作物の解体等の作業計画・悪天候時の中止・引倒しの合図:労働安全衛生規則 第517条の14〜16(安全教育センター

※ 問題文は転載していません。各措置と立入禁止の対象は上記の規則で照合しています(この記事の確認日時点)。最新の改正は公式でご確認ください。

ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

土木施工管理技士試験で過去に問われた用語・数値・施工手順を、官公庁の仕様書や日本道路協会の便覧に照らして整理しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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