ゼロから学ぶ土木施工管理

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防波堤の型式は過去問でどう問われる?

けんせつる

けんせつる

混成堤って、なんで一番よく使われるの?

防波堤の型式って、どう選ぶの?

この記事の要点

防波堤は、港内の静穏を保つために波を防ぐ施設で、型式は傾斜堤・直立堤・混成堤に分かれます。

直立堤や混成堤の本体には、ケーソン式とブロック式があります。過去問での問われ方も押さえます。

防波堤は、外からの波をさえぎって、港の中をおだやかに保つための施設です。海から陸を守る海岸堤防とは目的が異なります。

防波堤は、港内の静穏を保つために波を防ぐ施設で、型式は傾斜堤・直立堤・混成堤に分かれます。

防波堤の役割

防波堤は、沖からの波のエネルギーをさえぎり、港の中を静かに保ちます。船の停泊や荷役を安全にするための、港湾の基本となる施設です。

防波堤の型式

波を防ぐ仕組みの違いで、大きく3つの型式に分かれます。

傾斜堤

傾斜堤は、捨石やブロックを台形に積み上げる型式です。斜面で波のエネルギーをくだきます。捨石の大きさに限度があるため、一般に波力の弱いところに用いられ、やむを得ず波力の強い箇所に用いる場合は法面をブロックで被覆することがあります。

直立堤

直立堤は、前面が直立した壁体で波を反射させる型式です。地盤が比較的良好な場所に向きます。本体の造り方にケーソン式とブロック式があり、後で詳しく見ます。

混成堤

混成堤は、下部に捨石のマウンドを設け、その上に直立部をのせる型式です。水深の大きい箇所や比較的軟弱な地盤にも適しますが、施工法や施工設備が多様になります。最も多く用いられる型式です。

直立堤・混成堤の構造方式(ケーソン式・ブロック式)

直立部の造り方には、主にケーソン式とブロック式があります。混成堤の断面で見ると、各部の位置がつかめます。

混成堤(ケーソン式)の構造の模式図 上部工 ケーソン 中詰め 捨石マウンド 海面
混成堤(ケーソン式)の模式図(形状は実物どおりではありません)。捨石マウンドの上にケーソンをのせ、内部に中詰めを行い、上部工で覆います。

ケーソン式は、箱状のケーソンを据え付けて中詰めする方式で、本体の一体性が高い反面、製作設備や施工設備に相当な工費を要し、荒天日数の多い場所では海上施工日数に制限を受けます。ブロック式は、コンクリートブロックを積む方式で、施工が確実で容易、施工設備も簡単という長所があります。

混同しやすい用語

防波堤 と 海岸堤防

どちらも波に関わる施設ですが、守る対象が違います。防波堤は、港湾の沖に設けて港内の静穏を保つ(船や荷役を波から守る)施設です。海岸堤防は、海岸に設けて高潮や波の越流から背後の土地を守る施設です。港の中を守るのが防波堤、陸の土地を守るのが海岸堤防、と整理できます。

過去問でどう問われたか

港湾の防波堤の型式は、1級でくり返し問われています。傾斜堤・直立堤・混成堤の特徴と、直立堤の構造方式(ケーソン式・ブロック式)を入れかえる引っかけが中心です。

  • ①ブロック式直立堤の一体性(ケーソン式と同じ一体性が確保される、とするのは誤り)
  • ②混成堤の適地(水深が大きい箇所や比較的軟弱な地盤にも適する)
  • ③傾斜堤の特徴(施工設備は簡単だが、水深が大きくなると材料・労力が多くなる)
年度・級・No.問われ方/引っかけ
平成24年度 1級 No.39各型式の特徴。ブロック式直立堤を「ケーソン式と同様な一体性が確保される」とするのは誤り(各ブロック間の結合は一体性が劣る)←核心
令和4年度 1級 No.40ケーソン式・ブロック式・傾斜堤・混成堤の長所短所を比較(海上作業日数・材料量などの細部を問う)
令和6年度 1級 No.44各型式の特徴。ブロック式直立堤の「海上作業期間が長く、広い製作用地が必要」は正しい特徴として出題(誤りは傾斜堤の記述)

核心は、直立堤の構造方式の違いです。ブロック式直立堤が「ケーソン式と同様な一体性が確保される」とする記述は誤りで、各ブロック間の結合はケーソン式ほどの一体性にはなりません。この一体性のすり替えが、いちばん多い引っかけです。

2級では、型式の特徴よりも「ケーソン式混成堤の据付け・中詰めの手順」がよく問われます。あわせて押さえておきましょう。

理解度チェック

問題:混成堤は、水深の大きい箇所や比較的軟弱な地盤にも適するが、施工法や施工設備が多様となる。

〇か×か。

答え:

混成堤は捨石マウンドの上に直立部をのせるため、水深の大きい箇所や比較的軟弱な地盤にも適しますが、施工法・施工設備は多様になります。

問題:ブロック式の直立堤は、各ブロック間の結合がケーソン式と同様な一体性を確保できる。

〇か×か。

答え:×

ブロック式は施工が確実で容易などの長所がありますが、各ブロック間の結合はケーソン式ほどの一体性にはなりません。

問題:捨石式の傾斜堤は、捨石の大きさに限度があるため、一般に波力の弱いところに用いられる。

〇か×か。

答え:

傾斜堤は捨石の大きさに限度があるため、一般に波力の弱いところに用い、波力の強い箇所では法面をブロックで被覆することがあります。

まとめ

防波堤は、港内の静穏を保つために波を防ぐ施設です。

型式は傾斜堤・直立堤・混成堤に分かれ、混成堤は水深が深く地盤がやや弱い場所にも使えるのが特徴です。

直立部の造り方にはケーソン式とブロック式があり、一体性と施工性の違いが問われます。

参考資料

  • 国土交通省「港湾の施設の技術上の基準・同解説」
  • (一財)沿岸技術研究センター 港湾構造物 関連資料

※ 型式・特徴は標準的な内容です。基準の改定や現場条件で変わるため、最新の資料で確認してください。

ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

土木施工管理技士試験で過去に問われた用語・数値・施工手順を、官公庁の仕様書や日本道路協会の便覧に照らして整理しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

過去問解説

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