けんせつる
オーバーレイしたのに、すぐ同じ場所がまた割れるのはなぜ?
リフレクションクラックって、ふつうのひび割れと何が違うの?
この記事の要点
リフレクションクラックは、下にあるコンクリート版やセメント安定処理層の目地やひび割れの真上に、同じ位置で出るアスファルト層のひび割れです。
下層の動きが上に「反射」して起きるため、表層を直すだけでは再発します。原因と抑制工法、過去問での問われ方を押さえます。
アスファルト舗装のひび割れには色々な種類がありますが、補修してもすぐ同じ場所が割れる場合は、原因が表層ではなく下の層にあります。
リフレクションクラックとは、下にあるコンクリート版やセメント安定処理層などの目地・ひび割れの真上に、同じ位置で生じるアスファルト層のひび割れです。
「リフレクション(reflection)」は反射という意味です。下層のすき間の位置が、その上のアスファルト層へそのまま写し取られるように出てきます。
原因は、下層の目地やひび割れが動くことです。温度変化による収縮や、交通荷重がかかるたびに、下層のすき間がわずかに開いたり閉じたりします。その動きが上のアスファルト層に伝わり、同じ位置に応力が集中してひび割れます。
もとがコンクリート舗装の目地や、セメント安定処理した路盤の収縮ひび割れであることが多く、その上をアスファルトでオーバーレイしたときに表面へ現れます。
下層の目地やひび割れと同じ位置・同じ向きに出ます。横断方向の目地が原因なら、表面にも道路を横断する線状のひび割れとして現れます。面全体に網目状に広がる亀甲状ひび割れとは形がちがいます。
下層の動きを上に伝えにくくするのがねらいです。主な方法は次のとおりです。
| 工法・材料 | ねらい |
|---|---|
| 応力緩和層(じょく層工法) | 既設舗装とオーバーレイ層の間に層を設け、下層の動きの応力を緩和する |
| クラック抑制シート | ひび割れのある箇所に敷設し、上への伝わりを抑える |
| 改質アスファルト | 安定度の高い混合物でひび割れにくくする |
| 打換え工法 | 原因の下層ごと造り直す根本的な対策 |
応力緩和層やクラック抑制シートは、オーバーレイで表層だけを直すときに、下からのひび割れの再発を抑えるために使います。原因の下層が傷んでいる場合は、打換え工法でその層ごと造り直します。
混同しやすい用語
亀甲状ひび割れ(疲労ひび割れ)
交通荷重の繰返しで、輪荷重の通る部分に面的に広がる網目状のひび割れです。原因は表層から下の層の支持力不足で、出る位置も面的です。下層の目地の真上に線状に出るリフレクションクラックとは、原因も形もちがいます。
問題:リフレクションクラックは、下層のコンクリート版やセメント安定処理層の目地・ひび割れの真上に生じる。
〇か×か。
答え:〇
下層の目地やひび割れの動きが上に伝わり、その真上に同じ位置で生じます。
問題:オーバーレイ工法でリフレクションクラックの発生を抑制するため、クラック抑制シートの設置や応力緩和層を設けることがある。
〇か×か。
答え:〇
下層の動きを上のアスファルト層に伝えにくくするため、クラック抑制シートや応力緩和層(じょく層工法)を用います。
問題:リフレクションクラックは、交通荷重の繰返しで輪荷重部に面的に広がる網目状のひび割れである。
〇か×か。
答え:×
それは亀甲状ひび割れ(疲労ひび割れ)です。リフレクションクラックは下層の目地・ひび割れの真上に線状に出ます。
リフレクションクラックは、下層の目地・ひび割れが上に反射して、その真上に同じ位置で出るひび割れです。
原因は下層にあるため、表層だけ直すと再発します。オーバーレイ時は応力緩和層やクラック抑制シート、下層が傷んでいれば打換え工法で対応します。
ひび割れの種類全体はアスファルト舗装の破損、直し方はアスファルト舗装の補修工法もあわせて確認すると、舗装の維持修繕がつながります。
参考資料
※ 工法・対策は標準的な考え方です。条件により変わるため、最新の資料で確認してください。
※ この記事の確認日:2026年6月
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過去問での問われ方
舗装の補修(オーバーレイ・打換え)の正誤問題で問われます。1級(令和6年度・第一次)では、オーバーレイ工法でリフレクションクラックの抑制対策を行う、打換え工法は既設舗装をすべて撤去する、といった記述が出ています。2級でも、オーバーレイ工法でリフレクションクラックの発生を抑制する場合にクラック抑制シートの設置や応力緩和層を設ける、という形で問われています。
リフレクションクラックは表層が劣化して出るのではなく、下層の目地・ひび割れが真上へ反射して同じ位置に出ます。発生位置と原因の取り違えに注意します。