令和5年度(2023年)1級土木施工管理技術検定 第一次検定(問題A)No.5は、軟弱地盤上における道路盛土の施工について適当でないものを選ぶ問題です。地盤の変形、施工中の確認、施工面の勾配、盛土を進める向きが並びます。
誤りは、盛土を進める向きにあります。サンドマットの施工時や盛土高が低い間は、局部的な破壊を防ぐため法尻から盛土中央に向かって施工します。⑷は中央から法尻へと逆に書いており、そこが誤りです。理由の部分(局部破壊を防止するため)は正しく、向きだけが反転しています。
※ 問題文の原文は、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢4(最も不適当な記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| ⑴ 盛土荷重の載荷による軟弱地盤の変形は、非排水せん断変形による沈下及び隆起・側方変位と、圧密による沈下とからなる | ○(正しい) | すぐ出る変形とゆっくり進む沈下の2種類 |
| ⑵ 現地条件等を把握したうえで、工事の進捗状況や地盤の挙動、土工構造物の品質、形状・寸法を確認しながら施工する | ○(正しい) | 軟弱地盤では動きを見ながら進める |
| ⑶ 施工中は雨水の浸透を防止するため、施工面に数%の横断勾配をつけて表面を平滑に仕上げる | ○(正しい) | 水をためずに流して逃がす |
| ⑷ サンドマット施工時や盛土高が低い間は、局部破壊を防止するため、盛土中央から法尻に向かって施工する | ×(誤り) | 向きが逆。法尻から盛土中央に向かって施工する |
軟弱地盤の上に盛土を載せていくとき、まだ盛土が薄い段階では、地盤は載った分だけすぐに沈み込みます。このとき中央から先に載せると荷重が一か所に集まり、その部分だけが沈んで局部的な破壊になります。外周にあたる法尻から先に載せて外側を押さえ、中央を後にすると、荷重が広い面に分かれて地盤の一部だけが抜ける形を避けられます。
⑷は「局部破壊を防止するため」という目的を正しく書いたうえで、その手段である向きだけを反転させています。目的が正しいと手段まで正しく見えてしまうのがこの肢の作りなので、目的と手段を切り離して読みます。同じ形の引っかけは、締固めや舗装の施工順序でも繰り返し出ます。
⑴は軟弱地盤の変形を2つに分けた説明で、載せた直後に出る非排水せん断変形(沈下・隆起・側方変位)と、時間をかけて水が抜けながら進む圧密沈下からなります。⑵は施工中に地盤の挙動を確認しながら進めるという内容で、動きが読みにくい軟弱地盤では観測しながらの施工が前提になります。⑶の横断勾配は、施工面に水がたまって盛土材が軟らかくなるのを防ぐためです。したがって適当でないものは選択肢4です。
問題:サンドマット施工時や盛土高が低い間は、局部破壊を防止するため、盛土中央から法尻に向かって施工する。
〇か×か。
答え:×
法尻から盛土中央に向かって施工します。中央から先に載せると荷重が集中して局部的に沈みます。
問題:盛土荷重による軟弱地盤の変形は、非排水せん断変形による沈下・隆起・側方変位と、圧密による沈下とからなる。
〇か×か。
答え:〇
載せた直後の変形と、時間をかけて進む沈下の2つに分けて考えます。
出典・参考資料
※ 日本道路協会「道路土工 軟弱地盤対策工指針」は市販図書のため、本記事では指針の条項・数値には踏み込んでいません。問題文と選択肢も転載していません。
※ この記事の確認日:2026年7月