令和5年度(2023年)1級土木施工管理技術検定 第一次検定(問題A)No.27は、道路のアスファルト舗装における路床の施工について、適当でないものを選ぶ問題です。
盛土路床の排水、凍上抑制層、セメント系安定処理土の六価クロム、構築路床の仕上げという4つが並びます。
凍上抑制層は、比べる2つの厚さの大小で決まります。凍結深さから求めた置換え深さが舗装の厚さより大きい場合に、その差だけ凍上の生じにくい材料で置き換えます。
選択肢2は「舗装の厚さが大きい場合に」としており、大小が逆です。舗装が十分に厚ければ凍結深さを舗装だけで受け止められるので、置き換える必要そのものがなくなります。
※ 問題文の原文は、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢2(最も不適当な記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| ⑴ 盛土路床は、施工後の降雨排水対策として、縁部に仮排水溝を設けておくことが望ましい | ○(正しい) | 仕上げた路床に水をためない |
| ⑵ 凍上抑制層は、凍結深さから求めた必要な置換え深さと舗装の厚さを比較し、舗装の厚さが大きい場合に、路盤の下にその厚さの差だけ凍上の生じにくい材料で置き換える | ×(誤り) | 大小が逆。置換え深さが舗装の厚さより大きい場合に、その差だけ置き換える |
| ⑶ 安定処理土は、セメント及びセメント系安定材を使用する場合、六価クロムの溶出量が所定の土壌環境基準に適合していることを確認して施工する | ○(正しい) | 溶出試験で基準適合を確かめてから使う |
| ⑷ 構築路床は、現状路床の支持力を低下させないよう、所定の品質、高さ及び形状に仕上げる | ○(正しい) | 下の地盤を壊さないことが前提 |
寒冷地では、凍結する深さまで水を含む材料が残っていると凍上が起きます。そこで凍結深さから必要な置換え深さを求め、舗装の厚さと比べます。置換え深さのほうが大きいとき、足りない分(差)だけを路盤の下で置き換えるという順序です。
選択肢2は大小を逆にしています。置換え深さ>舗装厚のときに差だけ置き換えると押さえれば、どちらが大きい場合かで迷いません。
置き換える材料は凍上の生じにくいもの、つまり水を含んで凍結しても膨らみにくい材料を使います。この層が凍上抑制層です。
⑴は仕上げた路床の上に雨水をためないための仮排水溝で、施工後の含水比の上昇を防ぎます。⑶はセメント系安定材から溶け出す六価クロムの確認、⑷は構築路床を作るときに現状路床の支持力を落とさないという注意です。したがって適当でないものは選択肢2です。
問題:凍上抑制層は、舗装の厚さが凍結深さから求めた置換え深さより大きい場合に、その差だけ路盤の下を置き換えて設ける。
〇か×か。
答え:×
逆です。置換え深さが舗装の厚さより大きい場合に、その差だけ置き換えます。
問題:セメント系安定材で処理した安定処理土は、六価クロムの溶出量が所定の土壌環境基準に適合していることを確認して施工する。
〇か×か。
答え:〇
溶出試験で基準に適合することを確かめてから使います。
出典・参考資料
※ 日本道路協会「舗装施工便覧」「舗装設計便覧」は市販図書、各県の舗装設計マニュアルはPDFのため、本記事では置換率などの数値には踏み込んでいません。問題文と選択肢も転載していません。
※ この記事の確認日:2026年7月