令和5年度(2023年)1級土木施工管理技術検定 第一次検定(問題A)No.28は、道路のアスファルト舗装における路盤の施工について、適当でないものを選ぶ問題です。
再生路盤材料の締固め、セメント安定処理路盤の表面保護、粒状路盤材料の含水比、シックリフト工法の交通開放という4つが並びます。
シックリフト工法は1層の仕上り厚を厚くする工法なので、内部の温度が下がるまで時間がかかります。温度が高いまま車を通せば変形するため、舗設後に十分冷えてから交通開放します。
選択肢4は「舗設後に加熱するとよい」としており、処置の向きが反対です。わだち掘れの原因が温度の高さにあるのに、さらに温めることになります。
※ 問題文の原文は、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢4(最も不適当な記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| ⑴ アスファルトコンクリート再生骨材を多く含む再生路盤材料は締め固めにくい傾向にあるので、使用するローラの選択や転圧の方法等に留意して施工するとよい | ○(正しい) | 材料の性質に合わせて機械と転圧を選ぶ |
| ⑵ セメント安定処理路盤を締固め直後に交通開放する場合は、含水比を一定に保つとともに、表面を保護する目的で必要に応じてアスファルト乳剤等を散布するとよい | ○(正しい) | 乾燥と表面の傷みを乳剤で抑える |
| ⑶ 粒状路盤材料が乾燥しすぎている場合は、施工中に適宜散水して、最適含水比付近の状態で締め固めるとよい | ○(正しい) | 締固めが最もよく効く含水比に合わせる |
| ⑷ シックリフト工法による加熱アスファルト安定処理路盤は、早期交通開放すると初期わだち掘れが発生しやすいので、舗設後に加熱するとよい | ×(誤り) | 処置が反対。舗設後は十分に冷えるのを待ってから交通開放する |
シックリフト工法は、1層の仕上り厚を10cm以上として厚く敷き均す工法です。層が厚いほど内部の熱は抜けにくく、開放温度まで下がらないうちに車を通すと初期わだち掘れが出ます。
したがって処置は冷やす側で、舗設後に十分な時間をおくか、散水などで温度を下げてから交通開放します。温度が高いほど変形しやすいという性質を押さえておけば、加熱するという記述に違和感を持てます。
選択肢4は「早期交通開放すると初期わだち掘れが発生しやすい」という前半の事実は正しく書いています。前半が正しいだけに、後半の処置だけを反対にした形に気づきにくくなっています。
⑴は再生骨材を多く含む材料が締め固めにくいことへの配慮、⑵はセメント安定処理路盤の乾燥と表面の傷みを防ぐ乳剤散布です。⑶は乾燥しすぎた粒状路盤材料に散水し、最適含水比付近で締め固めるという基本です。したがって適当でないものは選択肢4です。
問題:シックリフト工法による加熱アスファルト安定処理路盤は、初期わだち掘れを防ぐため舗設後に加熱するとよい。
〇か×か。
答え:×
反対です。十分に冷えるのを待ってから交通開放します。
問題:粒状路盤材料が乾燥しすぎている場合は、施工中に適宜散水して最適含水比付近で締め固める。
〇か×か。
答え:〇
締固めが最もよく効く含水比に近づけてから転圧します。
出典・参考資料
※ 日本道路協会「舗装施工便覧」は市販図書のため、本記事では交通開放温度の数値には踏み込んでいません。問題文と選択肢も転載していません。
※ この記事の確認日:2026年7月