令和5年度(2023年)1級土木施工管理技術検定 第一次検定(問題A)No.29は、道路のアスファルト舗装における基層・表層の施工について、適当でないものを選ぶ問題です。
タックコート面の保護、雨が降り始めたときの対応、継目の設け方、振動ローラの転圧速度という4つが並びます。
継目の種類で引っかけています。施工の終了時やむを得ず中断したときに設けるのは、道路の横断方向の横継目です。車が乗り越える向きの継目なので、仕上がりの良否が走行性に直接影響します。
選択肢3は同じ説明を縦継目に付けています。縦継目は道路を車線ごとに分けて舗設するときに、延長方向(縦断方向)に生じる継目です。
※ 問題文の原文は、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢3(最も不適当な記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| ⑴ タックコート面の保護や乳剤による施工現場周辺の汚れを防止する場合は、乳剤散布装置を搭載したアスファルトフィニッシャを使用することがある | ○(正しい) | 散布と敷均しを1台で続けて行える |
| ⑵ 敷均し作業中に雨が降り始めた場合は、敷均し作業を中止するとともに、敷均した混合物を速やかに締め固めて仕上げる | ○(正しい) | 置いたままでは冷えて締め固められなくなる |
| ⑶ 施工の終了時又はやむを得ず施工を中断した場合は、道路の縦断方向に縦継目を設け、仕上がりの良否が走行性に直接影響するので平坦に仕上げる | ×(誤り) | 継目の種類が違う。終了時や中断時は道路の横断方向に横継目を設ける |
| ⑷ 振動ローラで転圧する場合は、転圧速度が速すぎると不陸や小波が発生し、遅すぎると過転圧になることがあるので転圧速度に注意する | ○(正しい) | 速さの上下どちらにも不具合がある |
舗装の継目は、生じる向きで名前が変わります。1日の施工を終えた端部や、やむを得ず中断した端部にできるのは道路の横断方向の横継目で、車はこの継目を乗り越えて走ります。
一方の縦継目は、車線ごとに分けて舗設したときに延長方向に沿って残る継目です。車が乗り越えるのは横継目、車輪が沿って走るのが縦継目という違いで押さえます。
選択肢3は「仕上がりの良否が走行性に直接影響する」という横継目の説明をそのまま縦継目に付け替えています。理由の部分が正しいだけに、継目の名前と向きの入れ替えに気づきにくくなっています。
⑴は乳剤散布装置付きのフィニッシャで、タックコート面を車輪で荒らさず周辺も汚さない施工です。⑵は雨に遭ったときの処置で、敷均しを止めて手元の混合物は温度があるうちに締め固めます。⑷は振動ローラの転圧速度で、速すぎても遅すぎても不具合が出ます。したがって適当でないものは選択肢3です。
問題:施工の終了時やむを得ず施工を中断した場合は、道路の縦断方向に縦継目を設ける。
〇か×か。
答え:×
道路の横断方向に横継目を設けます。縦継目は車線ごとに舗設するときの継目です。
問題:振動ローラによる転圧は、速度が遅すぎると過転圧になることがある。
〇か×か。
答え:〇
速すぎれば不陸や小波、遅すぎれば過転圧という両側の不具合があります。
出典・参考資料
※ 日本道路協会「舗装施工便覧」は市販図書、各県の舗装施工資料はPDFのため、本記事では継目のずらし量などの数値には踏み込んでいません。問題文と選択肢も転載していません。
※ この記事の確認日:2026年7月