ゼロから学ぶ土木施工管理

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令和5年度(後期)2級土木施工管理技士 No.29を解説、シールド工法

令和5年度(2023年)2級土木施工管理技術検定 第一次検定(後期)No.29は、シールド工法に関する記述のうち、適当でないものを選ぶ問題です。泥水式と土圧式という2つの方式について、切羽の安定のさせ方と掘削土砂の運び出し方が正しく説明されているかを見分けます。

この問題のポイント

泥水式は、加圧した泥水を切羽に循環させて切羽を安定させ、掘削した土砂を泥水とともに流体輸送で運び出す方式です。土圧式は、掘削土砂に添加材を注入して泥土化し、その泥土で切羽を安定させて、スクリューコンベヤで排土する方式です。選択肢2は泥水式の説明として「添加材を注入して強制的に攪拌」と書いていますが、これは土圧式(泥土圧式)の特徴です。方式ごとの特徴の取り違えが問われます。

※ 問題文そのものは、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢2(最も不適当な記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
⑴ 泥水式シールド工法は、泥水を循環させ、泥水によって切羽の安定を図る工法○(正しい)泥水の圧力で切羽を安定させる泥水式の説明どおり
⑵ 泥水式シールド工法は、掘削した土砂に添加材を注入して強制的に攪拌し、流体輸送方式で地上に搬出する工法×(誤り)添加材を注入して泥土化し強制攪拌するのは土圧式の特徴。泥水式ではない
⑶ 土圧式シールド工法は、カッターチャンバー内に掘削した土砂を充満させ、切羽の土圧と平衡を保つ工法○(正しい)土圧式の切羽安定の説明どおり
⑷ 土圧式シールド工法は、掘削した土砂をスクリューコンベヤで排土する工法○(正しい)土圧式の排土機構の説明どおり

選択肢2のポイント(ここが誤り)

泥水式は、加圧した泥水を切羽に循環させて切羽を安定させ、掘削した土砂を泥水とともに流体輸送で、排泥管を通して地上へ運び出します。添加材を注入して土砂を泥土化する処理はしません。土圧式は、掘削土砂に添加材を注入して泥土化し、その泥土で切羽を安定させて、スクリューコンベヤで排土します。

選択肢2は「掘削した土砂に添加材を注入して強制的に攪拌し」と書いていますが、添加材を注入して泥土化し強制攪拌するのは土圧式(泥土圧式)の特徴で、泥水式の説明ではありません。⑴の泥水を循環させて切羽の安定を図る記述、⑶のカッターチャンバー内の土砂で切羽の土圧と平衡を保つ記述、⑷のスクリューコンベヤで排土する記述は、いずれも各方式の説明として正しい記述です。したがって適当でないものは選択肢2です。

覚え方

  • 泥水式=泥水を循環させ切羽安定・流体輸送/土圧式=添加材で泥土化・スクリューコンベヤで排土
  • 泥水式は「泥水」で運ぶ・土圧式は「泥土」をスクリューで出す、と運び方で区別
  • 選択肢2は泥水式に土圧式の特徴(添加材・強制攪拌)を混ぜた誤り

理解度チェック

問題:泥水式シールド工法は、掘削した土砂に添加材を注入して強制的に攪拌し、流体輸送方式で搬出する工法である。

〇か×か。

答え:×

それは土圧式の特徴です。泥水式は泥水を循環させて切羽を安定させ、掘削土を泥水とともに流体輸送で搬出します。

問題:土圧式シールド工法は、掘削した土砂をスクリューコンベヤで排土する工法である。

〇か×か。

答え:

土圧式は掘削土砂に添加材を注入して泥土化し、スクリューコンベヤで排土します。

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出典・参考資料

  • 一般財団法人 全国建設研修センター「令和5年度 2級土木施工管理技術検定 第一次検定(後期・種別:土木) 問題」
  • シールド工法の方式の特徴(泥水式=加圧した泥水を循環させ切羽を安定させ掘削土を流体輸送/土圧式=添加材を注入して泥土化し切羽を安定させスクリューコンベヤで排土)

※ 問題文は転載していません。シールド工法の各方式は、最新の技術資料等で確認してください。

ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

土木施工管理技士試験で過去に問われた用語・数値・施工手順を、官公庁の仕様書や日本道路協会の便覧に照らして整理しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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