令和5年度(2023年)2級土木施工管理技術検定 第一次検定(後期)No.28は、鉄道(在来線)の営業線内及びこれに近接した工事に関する記述のうち、適当でないものを選ぶ問題です。列車が近づいたときの重機械の扱い、信号区間での短絡防止、防護策の点検、運転者の資格確認という4つの記述から、安全上の取扱いが正しいものを見分けます。
営業線の近接工事では、列車が近づいてから通過し終わるまでの間、重機械による作業を一時中止するのが原則です。選択肢1はこれを「建築限界をおかさないよう注意して行う」として、列車が来ても作業を続けさせています。列車の接近時に、注意しながら作業を続けてよいのか、それとも作業そのものを止めるのかが問われます。
※ 問題文そのものは、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢1(最も不適当な記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| ⑴ 重機械による作業は、列車の近接から通過の完了まで建築限界をおかさないよう注意して行う | ×(誤り) | 列車の近接から通過の完了までは重機械作業を一時中止する。注意して続行するのは不十分 |
| ⑵ 工事場所が信号区間では、バール・スパナ・スチールテープ等の金属による短絡を防止する | ○(正しい) | 金属工具が左右レールをつなぐと軌道回路が短絡し信号が誤動作するため防止する |
| ⑶ 営業線での安全確保のため、所要の防護策を設け定期的に点検する | ○(正しい) | 列車と工事を隔てる防護策を設け、機能を保つよう定期点検するのは安全管理の基本 |
| ⑷ 重機械の運転者は、重機械安全運転の講習会修了証の写しを添え、監督員等の承認を得る | ○(正しい) | 運転者の技量を修了証で確認し、監督員等の承認を得てから使用する手続きは正しい |
建築限界とは、線路の周囲に構造物や材料を置いてはならない空間のことで、車両の外形である車両限界の外側に余裕をもって定められています。選択肢1は、この建築限界の内側に重機械が入らないよう注意していれば、列車が近づいても作業を続けてよい、という書き方になっています。
しかし営業線の近接工事では、列車の近接から通過の完了までは、重機械による作業を一時中止するのが原則で、建築限界に注意しながら続行するのは誤りです。運転中の重機械はブームや吊り荷が動き、故障や操作ミスで限界内へ振れる危険があるため、通過が終わるまで動きを止めます。⑵の信号区間での短絡防止、⑶の防護策と定期点検、⑷の運転者の修了証確認と監督員承認は、いずれも営業線の保安上の取扱いとして正しい記述です。したがって適当でないものは選択肢1です。
問題:重機械による作業は、列車の近接から通過の完了まで、建築限界をおかさないよう注意して行ってよい。
〇か×か。
答え:×
列車の近接から通過の完了までは、重機械による作業を一時中止します。建築限界に注意して続行するのでは不十分です。
問題:工事場所が信号区間では、バール・スパナ・スチールテープ等の金属による短絡を防止する。
〇か×か。
答え:〇
金属工具が左右のレールをつなぐと軌道回路が短絡し、信号を誤動作させるおそれがあるため防止します。
出典・参考資料
※ 問題文は転載していません。営業線・近接工事の保安取扱いは、各鉄道事業者の工事保安関係の基準等で確認してください。
※ この記事の確認日:2026年7月
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