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令和5年度(後期)2級土木施工管理技士 No.27を解説、鉄道の軌道の用語

令和5年度(2023年)2級土木施工管理技術検定 第一次検定(後期)No.27は、鉄道の軌道の用語とその説明の組合せのうち、適当でないものを選ぶ問題です。スラック・カント・軌間・スラブ軌道の4つの用語について、説明が正しく対応しているかを見分けます。

この問題のポイント

スラックとカントは、どちらも曲線部で車両を安全に通すための対策なので混同しやすい用語です。スラックは軌間(レールの左右間隔)を拡大する量を指しますが、選択肢1はこれを「縮小する量」としています。曲線で軌間を広げるのか狭めるのか、その向きを取り違えていないかが問われます。

※ 問題文そのものは、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢1(最も不適当な組合せ)

各組合せの正誤

組合せ(用語→説明)正誤解説
⑴ スラック → 曲線部において列車の通過を円滑にするために軌間を縮小する量×(誤り)スラックは曲線部で軌間を拡大する量。「縮小」が逆
⑵ カント → 曲線部において列車の転倒を防止するために曲線外側レールを高くすること○(正しい)遠心力による転倒を防ぐため外側レールを内側より高くする
⑶ 軌間 → 両側のレール頭部間の最短距離○(正しい)左右レール頭部間の最短距離という定義どおり
⑷ スラブ軌道 → プレキャストのコンクリート版を用いた軌道○(正しい)コンクリート版(スラブ)を用いた省保守の軌道構造

選択肢1のポイント(ここが誤り)

車輪は左右が車軸で固定され、フランジ(車輪外周の出っ張り)でレールから外れないようになっています。曲線をそのままの軌間で通ろうとすると車輪とレールがつかえてしまうため、曲線部ではあらかじめ軌間を内側へ広げておき、車両が滑らかに通れるようにします。この広げる量がスラックです。

選択肢1は「軌間を縮小する量」としていますが、スラックは軌間を拡大する量であり、縮小ではありません。曲線を通しやすくするために幅を狭めると、かえって車輪がつかえてしまいます。⑵のカント(曲線外側レールを高くして転倒を防ぐ)、⑶の軌間(左右レール頭部間の最短距離)、⑷のスラブ軌道(プレキャストのコンクリート版を用いた軌道)は、いずれも用語と説明が正しく対応しています。したがって適当でないものは選択肢1です。

覚え方

  • スラック=曲線で軌間を「広げる」量(縮小ではない)/カント=外側レールを「高くする」
  • スラックは水平方向に広げる・カントは上下に高低差をつける、と方向で区別する
  • 軌間=左右レール頭部間の最短距離/スラブ軌道=コンクリート版を用いた軌道

理解度チェック

問題:スラックとは、曲線部において列車の通過を円滑にするために軌間を縮小する量のことである。

〇か×か。

答え:×

スラックは曲線部で軌間を拡大する量です。縮小ではありません。曲線で車輪がつかえないよう、あらかじめ軌間を広げておきます。

問題:カントとは、曲線部において列車の転倒を防止するために、曲線外側のレールを内側より高くすることである。

〇か×か。

答え:

カントは遠心力による転倒を防ぐため、曲線外側のレールを内側より高くする高低差です。水平方向に軌間を広げるスラックと区別します。

令和5年度(後期)2級土木施工管理技士 第一次検定 過去問解説 一覧へ

出典・参考資料

  • 一般財団法人 全国建設研修センター「令和5年度 2級土木施工管理技術検定 第一次検定(後期・種別:土木) 問題」
  • JIS E 1001:2001「鉄道-線路用語」(スラック=曲線部において軌間を拡大する量/カント=曲線部における外側レールと内側レールとの高低差/軌間=直線区間における左右レール頭部間の最短距離/スラブ軌道=コンクリートのスラブを用いた軌道)

※ 問題文は転載していません。鉄道の軌道の用語は、最新のJIS E 1001や鉄道構造物等設計標準等で確認してください。

ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

土木施工管理技士試験で過去に問われた用語・数値・施工手順を、官公庁の仕様書や日本道路協会の便覧に照らして整理しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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