令和5年度(2023年)1級土木施工管理技術検定 第一次検定(問題A)No.43は、鉄道(在来線)の営業線及びこれに近接して工事を施工する場合の保安対策について、適当でないものを選ぶ問題です。
既設構造物への影響の検測、建設用大型機械の留置、列車見張員の配置、運転に支障がないことの確認という4つが並びます。
営業線の工事は、役割ごとに責任者が決まっています。線路閉鎖の手続きや、作業終了時に建築限界内の支障物を確かめるのは線閉責任者の役目です。
選択肢4はこの確認を工事管理者が行い、線閉責任者に対して確認すると書いており、主体が入れ替わっています。誰が誰に確認するのかを読み違えないことが要点です。
※ 問題文の原文は、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢4(最も不適当な記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| ⑴ 既設構造物等に影響を与える恐れのある工事の施工にあたっては、異常の有無を検測し、これを監督員等に報告する | ○(正しい) | 影響が出ていないかを測って報告する |
| ⑵ 建設用大型機械は、直線区間の建築限界の外方に所定の距離以上離れ、かつ列車の運転保安及び旅客公衆等に対し安全な場所に留置する | ○(正しい) | 限界の外に置き、さらに安全な場所を選ぶ |
| ⑶ 列車見張員は、責任者及び従事員に対して列車接近の合図が可能な範囲内で、安全が確保できる離れた場所に配置する | ○(正しい) | 合図が届き、かつ見張員自身も安全な位置 |
| ⑷ 工事管理者は、線閉責任者に列車又は車両の運転に支障がないことを確認するとともに、自らも作業区間における建築限界内支障物の確認を行う | ×(誤り) | 主体が逆。支障がないことの確認と建築限界内支障物の確認は線閉責任者の役目 |
営業線の工事では、線路閉鎖や保守用車使用の手続きを行うのは線閉責任者です。作業が終わったときに建築限界内に支障物が残っていないかを確かめ、列車の運転に支障がないことを確認するのも線閉責任者の役目になります。
工事管理者は工事の施工そのものを管理する立場で、線路を列車が使える状態に戻す判断は担いません。誰が線路を列車に返すのかで役割を分けると、この種の入れ替えに気づけます。
選択肢4は「自らも作業区間における建築限界内支障物の確認を行う」という行為の内容は正しく、それを行う人だけを工事管理者に置き換えています。
⑴は既設構造物への影響を検測して監督員等に報告する手順、⑵は建設用大型機械を建築限界の外方の安全な場所に留置するという扱いです。⑶の列車見張員は、合図が届く範囲内でありながら自身も安全な位置に立ちます。したがって適当でないものは選択肢4です。
問題:作業区間における建築限界内支障物の確認と、列車の運転に支障がないことの確認は、工事管理者が行う。
〇か×か。
答え:×
線閉責任者の役目です。線路閉鎖の手続きも線閉責任者が行います。
問題:列車見張員は、列車接近の合図が可能な範囲内で、安全が確保できる離れた場所に配置する。
〇か×か。
答え:〇
合図が届くことと、見張員自身の安全の両方を満たす位置に置きます。
出典・参考資料
※ 各鉄道事業者の営業線工事保安関係標準は非公開・PDFのため、本記事では標準の条項や離隔の数値には踏み込んでいません。問題文と選択肢も転載していません。
※ この記事の確認日:2026年7月