ゼロから学ぶ土木施工管理

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令和7年度(後期)2級土木施工管理技士 No.26を解説、アスファルト舗装の維持修繕工法

令和7年度(2025年)2級土木施工管理技術検定 第一次検定(後期)No.26は、道路のアスファルト舗装の維持修繕工法に関する問題です。4つの記述のうち、適当でないものを1つ選びます。

この問題のポイント

維持修繕の工法は、どの傷みに使うかで決まっています。工法と傷みの対応をずらすのが、この問題の作り方です。

注入工法は、ひび割れにシール材を充填して雨水の侵入を防ぐ工法です。選択肢1は、これを「わだち掘れにシール材を充填する」と書いています。わだち掘れはくぼみなので、シール材を注入しても埋まりません。

※ 問題文そのものは、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢1(適当でない記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
1 注入工法は、舗装面のわだち掘れにシール材を充填する×(適当でない)注入工法はひび割れにシール材を充填する。わだち掘れではない
2 パッチング工法は、局部的なくぼみや段差等に舗装材料で応急的に充填する○(正しい)ポットホールや段差を舗装材料で応急的にふさぐ
3 切削工法は、路面の凸部等を切削除去して不陸や段差を解消する○(正しい)出っぱりを削って平たんにする。オーバーレイの下地にもなる
4 オーバーレイ工法は、既設舗装面上にタックコートを行い、アスファルト混合物等を重ねる○(正しい)既設面にタックコートを施し、その上に混合物を重ねる

選択肢1のポイント(ここが誤り)

注入工法(シール材注入工法)は、路面のひび割れにシール材を流し込んで、そのすき間から雨水などが入るのを止める工法です。水が入ると路盤まで傷んで破損が広がるので、早い段階でひび割れをふさいで進行を遅らせます。

選択肢1は、この対象をひび割れからわだち掘れに取りちがえています。わだち掘れは車輪が通る位置にできる帯状のくぼみで、細いすき間を埋めるシール材では対応できません。わだち掘れには、その部分にアスファルト混合物を重ねるわだち部オーバーレイなどを使います。傷みが「線のすき間」か「面のくぼみ」かで工法が変わります。

工法とその対象

この問題に出た4つを、対象とする傷みで並べます。

工法対象とする傷みすること
注入工法ひび割れシール材を充填して雨水の侵入を防ぐ
パッチング工法局部的なくぼみ・段差・ポットホール舗装材料で応急的に充填する
切削工法路面の凸部・不陸・段差凸部を切削除去して平たんにする
オーバーレイ工法広い範囲の劣化タックコートを行い、混合物を重ねる

切削工法は、それ自体が仕上げになるほか、オーバーレイの前に段差を消す下地処理としても使われます。工法どうしは組み合わせて使うこともあります。

覚え方

  • 注入工法=ひび割れにシール材(わだち掘れではない)
  • パッチング=くぼみ・段差に舗装材料で応急充填
  • 切削=凸部を削って平たんに。オーバーレイ=混合物を重ねる
  • 「線のすき間(ひび割れ)」か「面のくぼみ(わだち)」かで工法が変わる

理解度チェック

問題:注入工法は、舗装面のわだち掘れにシール材を充填する工法である。

〇か×か。

答え:×

注入工法はひび割れにシール材を充填します。わだち掘れはくぼみなので、シール材では対応できません。

問題:パッチング工法は、局部的なくぼみや段差等に舗装材料で応急的に充填する工法である。

〇か×か。

答え:

ポットホールや段差を舗装材料で応急的にふさぐのがパッチング工法です。

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出典・参考資料

  • 一般財団法人 全国建設研修センター「令和7年度 2級土木施工管理技術検定 第一次検定(後期) 問題」および公式正答
  • シール材注入工法はひび割れに対する工法:大林道路「アスファルト舗装が破損するのか(修繕工法)」(mente.obayashi-road.co.jp)、富山アスファルト工事相談所「シール材注入工法とは」(asphalt-navi.com
  • 維持修繕工法(パッチング・切削・オーバーレイ)の内容の原典:日本道路協会「舗装の維持修繕ガイドブック」「舗装施工便覧」

※ 問題文・図は転載していません。工法の内容は上記の資料で照合しています。

ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

土木施工管理技士試験で過去に問われた用語・数値・施工手順を、官公庁の仕様書や日本道路協会の便覧に照らして整理しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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