ゼロから学ぶ土木施工管理

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工事用仮設建築物は過去問でどう問われる?

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編集部

現場事務所にも、ふつうの建物と同じ制限がかかると思いますか?じつは工事用の仮設建築物は、接道や高さ制限などが緩和されます。何が緩和されるかを押さえましょう。

この記事の要点

工事用の仮設建築物(現場事務所など)は、建築基準法の一部の規定が適用されません(緩和)

接道義務や斜線制限などは緩和され、換気などは適用されます。過去問での問われ方も押さえます。

工事用の仮設建築物は、工事の期間だけ使う建物です。建築基準法では、ふつうの建物より制限がゆるくなっています。何が緩和され、何が適用されるかを押さえます。

工事用の仮設建築物は、接道義務や斜線制限などの規定が適用されず、換気などの規定は適用されます。

緩和される規定

工事を施工するための現場事務所などの仮設建築物には、ふつうの建物にかかる次のような規定が適用されません(緩和されます)。

  • 建築確認(確認申請)の手続き
  • 敷地が道路に接していなければならないという接道義務
  • 前面道路の幅員に応じた高さ制限(斜線制限)
  • 用途地域による用途の制限
  • 建ぺい率・容積率の制限 など

工事用の仮設の建物なので、土地利用や街並みに関する制限はゆるめられています。

緩和されない(適用される)規定

一方、安全や衛生に関わる規定は、仮設建築物にも適用されます。

  • 事務室の換気のための、床面積に対して1/20以上の開口部(不足する場合は換気設備で代えることができる)
  • 自重・積載荷重・積雪・風圧・土圧・水圧・地震に対して安全な構造(構造耐力)
  • 敷地に雨水・汚水を排出する下水管・下水溝・ため枡などの排水施設の設置
  • 防火・避難に関わる基本的な規定
規定仮設建築物への適用
建築確認(確認申請)適用されない(緩和)
接道義務適用されない(緩和)
斜線制限(高さ制限)適用されない(緩和)
用途地域・建ぺい率など適用されない(緩和)
換気(事務室・1/20以上)適用される
構造耐力(安全な構造)適用される
敷地の排水施設適用される

混同しやすい用語

工事用仮設建築物 と 一般の建築物

同じ建築物でも、かかる規定が違います。一般の建築物は、接道義務や斜線制限、用途地域など、建築基準法の規定がそろって適用されます。工事用仮設建築物は、工事期間だけの一時的な建物なので、これらの規定の一部が適用されず緩和されます。ただし、換気や構造などの安全・衛生に関わる規定は、仮設建築物にも適用されます。一時的だから緩和、でも安全はしっかり、と整理できます。

過去問でどう問われたか

工事用仮設建築物は、どの規定が緩和され、どれが適用されるかが繰り返し問われます。引っかけは大きく3型です。

  • ①緩和される規定を「適用される」とする(建築確認・接道・斜線制限・用途地域・建ぺい率)
  • ②適用される規定を「緩和される」とする(換気・構造耐力・排水施設)
  • ③換気の開口部(床面積の1/20以上)を取り違える
年度・級・No.問われ方/引っかけ
令和7年度 1級 No.63緩和されないものを選ぶ=事務室の換気の開口部(床面積の1/20以上)は仮設でも緩和されない(適用される)←換気・正答?
令和5年度 1級 No.58正しいもの=自重・積載・積雪・風圧・地震に対して安全な構造でなければならない(構造耐力は適用される。建築確認は適用除外)←構造耐力/確認・正答?
平成28年度 1級 No.58緩和されないものを選ぶ=敷地に雨水・汚水を排出する下水管・下水溝・ため枡などの排水施設の設置(適用される)←排水施設・正答?
平成22年度 1級 No.57正しいもの=事務室の換気は床面積の1/20以上の開口部(不足時は換気設備で代える)←換気・正答?

核心は3つです。建築確認・接道・斜線制限・用途地域・建ぺい率は緩和される、いっぽう換気・構造耐力・排水施設は適用される。とくに換気の開口部は床面積の1/20以上です。緩和される側とされない側を入れ替えた記述が、誤り肢になります。

理解度チェック

問題:工事用仮設建築物には、前面道路の幅員に応じた斜線制限が適用される。

〇か×か。

答え:×

斜線制限は適用されません。接道義務・用途地域・建築確認なども緩和されます。一方、換気などの規定は適用されます。

問題:工事用仮設建築物の事務室の換気は、床面積に対して1/20以上の開口部を設けるか、一定の換気設備で代える。

〇か×か。

答え:

換気の規定は適用されます。床面積の1/20以上の開口部が不足する場合は、換気設備で代えることができます(平成22年度 1級 No.57・令和7年度 1級 No.63)。

問題:工事用仮設建築物には、敷地に雨水・汚水を排出する排水施設を設けなければならない。

〇か×か。

答え:

敷地の排水施設(下水管・下水溝・ため枡など)の設置は、仮設建築物でも適用されます(平成28年度 1級 No.58)。構造耐力の規定も適用されます。

問題:工事用仮設建築物には、敷地が道路に接していなければならないという接道義務が適用される。

〇か×か。

答え:×

接道義務は適用されません(緩和されます)。建築確認・斜線制限・用途地域なども緩和されます。

まとめ

工事用仮設建築物は、建築基準法の一部の規定が緩和されます。

建築確認・接道義務・斜線制限・用途地域などは適用されず、換気(1/20以上)・構造耐力・排水施設などの安全衛生の規定は適用されるのが要点です。

緩和される規定と適用される規定を入れ替える引っかけが、過去問で繰り返されます。

参考資料

  • 建築基準法(仮設建築物に対する制限の緩和)
  • 国土交通省「仮設建築物」関連資料

※ 制度は標準的な内容です。法令の改正があり得るため、最新の条文・資料で確認してください。

ゼロから学ぶ土木施工管理 編集部

この記事を書いた人

ゼロから学ぶ土木施工管理 編集部

土木施工管理技士試験で過去に問われた用語・数値・施工手順を、官公庁の仕様書や日本道路協会の便覧に照らして整理しています。

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